D2Cのメリット・デメリットとは?向き・不向きから考えよう

D2C

D2Cを導入するか検討する場合、D2Cのメリットとデメリットをしっかりと理解しておかなければなりません。

一般的なECサイト(ECモール)やD2Cには、企業の規模や資金力、ビジネスモデルなどによって向き・不向きが分かれます。D2Cとの相性が悪い場合、「ECサイトを開設したが思ったより売上が伸びない」という事態にもなりかねないのです。

今回は、D2Cのメリットとデメリットを詳しく解説していきます。

デメリットよりもメリットのほうが活用できそうな場合、ECモールへの出店よりもD2Cを始めるべきでしょう。今回の記事を一つの判断材料にしてみてください。

 

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D2Cには向き・不向きがある

D2Cとは、ECサイトを通じてメーカーが消費者に直接商品を販売するビジネスモデルです。

自社で立ち上げたECサイトはオウンドメディアとの相性も良く、消費者への直接的なブランド価値を訴求できます。また、ユーザーのお悩み解決などのコンテンツを拡充することで、ファンやリピーターの獲得に役立ちます。

従来の一般的なECサイト(例:ECモールへ出店)に比べ、小規模な企業・ショップでも大きな売上をあげやすい点が特徴です。事実、D2Cが注目される背景として、アメリカのスタートアップ企業が取り入れて成功したことが挙げられます。

ただし、D2Cや一般的なECサイトどちらにも一長一短があるということを忘れてはいけません。一方が良い・悪いということではなく、どちらにもメリットとデメリットがあります。

そのため、自社の商品内容やビジネス規模などに合わせて、相性の良いほうを選択するとよいでしょう。

たとえば、ECモールに出店する場合、モール自体の認知度の高さにより多くのユーザーを集められるメリットがあります。しかし、高額な出品手数料が発生するほか、価格競争に巻き込まれやすいデメリットも存在します。

つまり、大衆商品を安く提供し、一時的な売上減少にも耐性が高く、安定した財務体質を備えた中堅~大型ショップが向いているということです。

一方、D2Cのメリットとデメリットは上記とはまったく異なります。D2Cの導入を検討する場合、この長短をしっかりと理解しておくことが重要です。

 

D2Cのメリット

D2Cのメリットは次の3点です。

  • メリット(1)ブランディングやCRM向上に繋がりやすい
  • メリット(2)オウンドメディアとしての運用もできる
  • メリット(3)利益率や販売成績の向上

消費者に直接商品を販売するD2Cは、同時にブランド価値や商品の良さを潜在顧客にアピールしやすいといえます。

ASPを利用することで低コストにECサイトを設立することもできるため、小規模の法人や個人事業主にも適しています。

メリット(1)ブランディングやCRM向上に繋がりやすい

D2Cで成功しているブランドのECサイトは、ABOUT情報(ブランド紹介や商品のこだわりなど)、ブログ、動画など複数のコンテンツをうまく組み合わせているケースがほとんどです。

単純に商品を販売しているだけのショップより、こうしたコンテンツを使った情報発信を行っているほうがブランディングに役立ちます。

また、D2Cでは、ECサイトから集計できるリアルな顧客データを検証できます。消費者に直接商品を販売しているため、ユーザーの声を集めるのも容易です。

こうしたデータがあるだけで、サイト内のUIUXの修正、コンテンツの見直し、商品ページの更新などが行いやすくなりCRM(顧客関係管理)にも良い影響を与えます。

メリット(2)オウンドメディアとしての運用もできる

D2C型のECサイトは、同時にオウンドメディアを運営し、自社メディアからユーザーを流入させるケースも珍しくありません。オウンドメディアでは記事コンテンツを配信することができるため、SEO(検索エンジン最適化)による潜在顧客の獲得が可能です。

たとえば、美容製品を扱っているブランドの場合。サイト内に商品ページとショッピングカートしか存在しなければ、それは単なるECサイトと同じです。

そこで、オウンドメディアを開設し、「お肌のお悩みを解決する記事コンテンツ」を配信するようになりました。すると、肌トラブルに悩む検索ユーザーがメディアに流入することになります。

メディア内に自社ブランド製品の紹介リンクを用意しておけば、商品ページへの誘導も可能です。

メリット(3)利益率や販売成績の向上

D2Cは、卸や小売企業を経由せずに商品を消費者に届けることができます。

中間マージンがいっさいかからないことになるため、利益率を上昇させることに繋がります。また、コスト削減分を商品価格に転嫁(値下げ)することで、販売数を伸ばすことが可能です。

D2Cを導入するブランドのほとんどは、高価格帯で品質の高い商品を扱っています。卸や小売企業を中継して販売を行った場合、商品価格が高額になりすぎて消費者にとってハードルが高くなってしまいます。

一方、中間マージンの削除により「高品質でお手頃な価格」の商品提供が可能となったため、消費者は価値を感じやすくなるのです。

 

D2Cのデメリット

D2Cのデメリットは次の3点です。

  • デメリット(1)実店舗に比べてクレームになる可能性が高い
  • デメリット(2)薄利多売のビジネスには向かない
  • デメリット(3)知名度や集客力の向上に時間がかかる

D2Cは決して万能なビジネスモデルではありません。自社で扱う商品によっては、D2Cのモデルが合わないということも考えられます。ECサイトを導入する前にデメリットの面もしっかり確認しておきましょう。

デメリット(1)実店舗に比べてクレームになる可能性が高い

D2CサイトはECサイトを利用したオンラインショッピングが基本です。

実店舗に比べた場合、ユーザーは商品を直接確認できるわけではないため、クレームに繋がる可能性が高くなります。また、商品の返品や交換のリスクにも注意しておくべきでしょう。

デメリット(2)薄利多売のビジネスには向かない

成功するD2Cブランドの多くは、自社ECサイトを利用してブランド価値の訴求や商品へのこだわりを徹底して紹介しています。裏を返せば、いくらコンテンツや管理システムを拡充しても、商品自体に魅力がなければD2Cビジネスとして成り立たないということです。

D2Cブランドのほとんどが高額・高品質の商品を扱うのは、こうした背景も影響しています。

コストの安さを重視したブランドの場合、うまくブランド価値を訴求できずに失敗してしまう可能性があります。コスト重視のブランドは無理にD2Cの販売形態をとるより、多くのユーザーアクセスが期待できるECモールのほうが相性は良いといえるでしょう。

デメリット(3)知名度や集客力の向上に時間がかかる

D2Cで安定した売上を確保するためには、ブランドの知名度と集客力を高めていかなければなりません。

しかし、単にECサイトをオープンするだけでブランド認知が進むわけではありません。消費者にブランドを知ってもらうためには次のような施策が必要です。

  1. 記事コンテンツによる情報発信(SEOによる集客)
  2. SNSによるブランディング・UX(ユーザー体験)の提供
  3. 顧客情報の取得・分析からユーザー個別の商品訴求(メルマガなど)

上記3つの施策はすべて一朝一夕にできるものではありません。

資金力に余裕がある場合、リスティング広告を活用して早期のアクセス増を目指すことも可能です。

ただし、D2Cの基本的な考え方として、じっくりと時間をかけて顧客とのエンゲージメントを強化・熟成させていくことを忘れてはいけません。

 

D2C支援サービス

昨今では、新しい販売チャネルとしてD2Cを導入したいという企業が増えています。

しかし担当者からすれば

何から手をつけていいか分からない!
どれくらいコストが必要?
物流やコールセンターはどうすれば?

などの疑問が山積みです。

そういった企業向けにD2C支援を行う会社も出てきています。

そのうちの一つが株式会社SUPERSTUDIOです。

SUPERSTUDIO社はECForceというカートの基幹システムを開発しており、同時に自社でもD2Cブランドの開発などを行なっています。

そういった自社で培ったノウハウから、業種や事業フェーズに合わせた提案をしてくれるそうです。

月額3万円という低額から始められるのも魅力ですね。

何から手をつけていいか分からないという方は、こういったサービスを利用することで、最短で成功に近づけるでしょう。

 

【まとめ】D2Cはメリット・デメリットを理解して導入することが大切

D2Cは顧客との関係性に力点をおいたビジネス形態です。

そのため、ブランディングやCRMといった要素が非常に重要となり、顧客との関係を深めて売上に繋げられる点が大きなメリットとなります。

一方で、D2Cの短所の部分もしっかりと考慮しなければいけません。自社のビジネスモデルや資金力と今回お伝えしたメリット・デメリットを結び付け、D2Cとの相性について最適な判断を行ってください。

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