D2C向けのECサイトを立ち上げた後は、集客やプロモーションなどを実施して「商品が売れる仕組み」を作り出さなければなりません。今回お伝えするLP(ランディングページ)やLPOという考え方は、この仕組み作りには欠かせない施策といえます。
今回は、ECサイトにおけるLPOの重要性と、初心者でも活用できるLPのページ構成方法をお伝えします。LPの作り方は基本的な雛形が存在するため、初めて作成する方でも心配は要りません。
ECサイトのLP(ランディングページ)とLPOの重要性
ECサイトは、LP(ランディングページ)をしっかりと構築しておくか否かでその後の販売数や売上が大きく異なります。
ECサイトを立ち上げたからといって、すぐに売上に繋がるわけではありません。顧客はサイト運営者自身が集客を行い、効果的な販促を行っていく必要があります。LPやLPOは、その「売上を生み出す仕組み」を作る取り組みといえます。
LP(ランディングページ)とは?
LPとは、ユーザーがサイトを訪問したときに最初に着地するページのことです。
「LP=サイトのトップページ」ということではなく、LPは1ページに1つの商品を掲載し、その効能やお客様の声などを記載して商品を徹底アピールします。消費者が最初に目に触れるページが商品紹介ページとなるため、トップページに誘導するよりも売上に繋がりやすいのです。
LPのなかには「商品購入ボタン」や「資料請求」などCTA(購入喚起要素)を配置するため、1ページでコンバージョンまでに至ります。
LPO(ランディングページ最適化)とは、このLPの企画・構成を考え、消費者がコンバージョンに至る導線を作り上げることを指します。いくらLPを作成しても、LPOの施策が悪ければ売り上げは伸びません。そのため、LPを作る前に、まずLPOの正しい知識を修得しておく必要があります。
LPO(ランディングページ最適化)の重要性
LPは基本的に、リスティング広告やソーシャル広告によって直接そのページに顧客を誘導します。
たとえば、あなたがSNSの広告で非常に興味深い商品を目にしたとしましょう。仮に広告をクリックした先がサイトトップページだとすると、あなたは商品を検索して探す必要があるため、面倒さを感じてサイトを離脱してしまうかもしれません。
そこで、広告からのリンク先をLPに設定しておけば、その商品の詳しい内容が書いてあるページに直接訪れることができます。
しかし、LPに記載されている内容がまったく魅力のないものだとしたら、あなたはどう思うでしょう。画像が1枚しかない、商品説明は材質とサイズについて簡易的に記載されているのみ——。これでは商品の内容がほとんど分からないので、興味を失いページを離脱してしまうのではないでしょうか。
一方、LPOでは、1ページに商品の特徴から利用するメリット、評判まであらゆる情報を記載します。消費者はページを移動することなく商品について深く理解することができるため、薄っぺらなページより購買に至る可能性が高いのです。
これがECサイトにおけるLPOの重要性といえます。
LPの基本となる8つの構成方法
LPは、基本的にサイト運営者や担当者が自由に作成することができます。しかし、LPは1ページでコンバージョンに至ることが重要となる(基本的に別のページに遷移はさせない)ため、構成が非常に重要となります。
以下は「基本的なLPOの雛形」として有名な8つの構成要素です。まずは以下の構成を参考にして、自社なりのLPの考え方がある場合は修正や加筆を行っていきましょう。
- 読者の悩みを可視化
- 商品が持つ効能・メリット
- メリットを生み出す証拠
- 第三者の声・評価
- 商品ができあがるまでのストーリー
- 保証と信頼をPR
- CTA
1.読者の悩みを可視化
多くの消費者は忙しく時間のないことが多いため、基本的にWebページは流し読みのケースも珍しくありません。
そのため、ページの一番上にもっとも大切なことが記載されていないと、すぐにブラウザを閉じてしまうでしょう。また、いきなり商品の特徴やメリットを掲載した場合、あまりにもセールス感が強すぎて消費者は敬遠してしまいます。
そこで、LPの一番上には「読者の悩みを可視化」する文章や画像を入れましょう。
たとえば、愛犬と一緒に暮らす家族向けに、特殊コーティングされたフローリング材を販売するとします。その場合、「愛犬がフローリングで滑ってケガをしないか心配ではありませんか?」という切り口で、読者の悩みを可視化することができます。
さらに、「愛犬の骨折の7割は室内(フローリングの滑りなど)で起きている」という「商品を購入しないときのリスク」を記載することも忘れてはいけません。
2.商品が持つ効能・メリット
読者の悩みやリスクを記載できた後は、「では弊社の商品を使うことでお悩みが解決できます」という効能を紹介していきます。LPでいきなり商品のメリットを解説されるよりも、まず悩みとリスクをしっかりと理解してからのほうが商品の良さは伝わりやすいです。
3.メリットを生み出す証拠
次にメリットを生み出す根拠を記載していきます。消費者はそのメーカーやブランドを知らないことが多いため、「商品を利用するメリット」と言われてもなかなか信じてもらえません。
そのため、商品の耐久性を示すデータ、企業の歴史・実績などをもとに、「なぜ商品を使うことでメリットが生まれるのか」を説明しておかなければなりません。
4.第三者の声・評価
LPで次に行っていくのは「共鳴」と呼ばれるものです。共鳴とは、「第三者の考えや言動に大いに同感すること」を表します。EC業界的な言い方をすると、「ほかの(たくさんの)人が買っているのなら私も買う」ということです。
LPで共鳴を生み出すには、ユーザーの声や評価を掲載することが一番効果的です。商品のレビューに良い評価がたくさんあることで、消費者に安心感を与えることができます。
5.商品ができあがるまでのストーリー
商品が完成するまでのストーリーもLPOにとって非常に重要です。「人は感情でモノを買い、その後理論で正当化する」とも言われ、LPでも消費者の感情に訴えかけることがコンバージョンに繋がりやすくなります。
LPにおけるストーリーは、たとえば生産背景、生産者の生の声、消費者に商品が届くまでの流れなど、作り手の思いやモノづくりへのこだわりを伝えることが一般的です。
6.保証と信頼をPR
何度も言いますが、LPに訪れた消費者は自社やブランド、商品について知っているわけではありません。購入経験がないことも多いため、自社への信頼はほぼゼロと思っても過言ではないのです。そうした環境のなかで商品を買ってもらうには、企業側から信頼性をアピールすることが重要となります。
多くの企業LPが実施しているのは、返金保証サービスを行うことです。「30日間で満足しなければ商品代金をすべてお返しします」などの文言が代表例でしょう。
また、テレビや新聞、雑誌などメディアへの掲載実績を紹介することも信頼感をアピールするコツです。
7.CTA
CTAとは、販売文句や問い合わせ、購入ボタンなどを配置することで消費者に購買を促す施策です。基本的にLPでは、ページの最後にCTAを配置しておきます。ページ内に余計なリンクなどを掲載せず、シンプルにCTAへ誘導することが重要です。
D2CのECサイトでLPOを進める手順
ECサイトでLPOを行うには、主に次のような手順で業務を行っていきます。
- 目的と目標の設定
- LP分析
- 改善策の提起と実施
基本的にLPOは、LPからデータを取得・検証し改善を繰り返すことによって、より良いページへと修正していきます。そのため、LPOを行う前にLPを構築し、一定期間運用していくことになります。
1.目的と目標の設定
まずLPOを実施する目的と目標を設定していきます。目的や目標を設定するタイミングは、LPを作成する前に行っておきましょう。LPを作成する目的とLPOを実施する目的を同時に考えることが大切です。目標は「訪問者数1万人」や「CVR(コンバージョン率)5%」など、具体的な数値をもとに考えていきます。
2.LP分析
あらかじめLPの運用期間を1ヶ月や3ヶ月などに決めておき、その後LPの詳細な分析を行っていきます。分析ツールはGoogle Analyticsが便利で、LPの細かいデータまで参照することが可能です。LPへの流入元や訪問者数、CVR、直帰率などの数値を確認します。
3.改善策の提起と実施
LP分析で取得したデータを検証し、今度はページの改善を行います。
たとえば、CVRが低いLPの場合、訪問者が求めている情報を提供できていなかったり、CTAまでの順路が分かりにくいといったことが考えられます。データ検証によって立てた仮設から改善策を考え、LPに落とし込んでいくことがLPOの重要なポイントです。
これら1~3までの流れは一度きりのものではなく、何度も検証と改善を繰り返していきましょう。改善を行って各指標(CVRや訪問者数)の数値が良くなると売上の最大化へと繋がります。
【まとめ】LPOで最適なD2Cの販売ページを構築しよう!
ECサイトでは、販売効率を向上させる方法としてLPOが非常に重要な役割を果たします。LPでは商品ページでは伝えきれない膨大な量の情報を扱えるため、適切なLPOを行えばもっとも売上に貢献するコンテンツになっても不思議ではありません。
LPOは、今回お伝えした7つの構成を参考に作成し、何度もデータ解析と検証、改善を繰り返していくことが大切です。特にD2Cは高品質商品を扱うことも多いため、LPでの販売が大いに適しています。