ECサイトへの集客手段として広告を検討する方も多いでしょう。しかし、広告にはさまざまな種類があり、どの運用方法をとればよいか迷っているかたも少なくないはずです。
今回は、広告のなかでもWeb広告に焦点を当て、5つの種類について紹介していきます。単なる広告の特徴や仕組みだけではなく、その運用方法までお伝えしていますので具体的なイメージが湧きやすいかと思います。
D2CのECサイトで基本となる5つの集客手段
D2CのECサイトでは、Web広告を使って集客を行うことによりユーザーの流入増が期待できます。Web広告をうまく活用すると一時的に多くのアクセスを見込めるため、売上をより高めていくために欠かせないツールといえるでしょう。
ECサイトに利用できるWeb広告の種類は以下の5つに分かれます。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- ソーシャル広告
- アフィリエイト広告
- 純広告(Webサイト掲載)
それぞれの広告タイプによって集客の期待値や導入費用が異なります。以下の説明を参考に、自社ECサイトに最適な広告の種類を選んでいきましょう。
リスティング広告
リスティング広告(検索連動型広告)は、検索エンジン(GoogleやYahoo!)の検索結果上部に表示されるWeb広告です。
検索結果に表示されるということは、ユーザーの検索キーワードによって現れる広告が異なるということです。たとえば、「Web広告」というキーワードでは広告運用代行業者のサイトが、「ECサイト」ではASPや開発会社などサイト構築サービスの広告が表示されます。
費用は設定する検索キーワードによって異なり、競合が激しいものほど単価が上昇します。一方で、ターゲットユーザーの悩み(検索ワード)に合わせて適切な広告表示ができるため、費用対効果が非常に高くなることも珍しくありません。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトやスマホアプリに設定された広告枠に表示される広告のことです。テキストや動画を用いることもありますが、基本的に画像表示が多いため、単純にバナー広告と呼ばれることもあります。
今ではさまざまなWebサイトにディスプレイ広告が配置されていますが、それだけに費用対効果を高めることが難しい状態です。
ユーザーはすでにディスプレイ広告に慣れきってしまっているため、目立つ位置に配置していてもわざわざ気に留めるようなことはしません。そのため、よっぽど印象の強いデザインや個性的な商品を扱っているなどの工夫がないと、単なるディスプレイ広告で成果をあげるのは難しいでしょう。
そこでディスプレイ広告の一種として、今ではリマーケティング広告が主流になっています。リマーケティング広告とは、一度サイトを離脱ユーザーを追いかけて、別のWebサイトで自社サイトの広告を配信する方法です。リマーケティング広告を使うことでユーザーに再訪を促すことができます。
ソーシャル広告
ソーシャル広告は、ツイッターやフェイスブック、インスタグラムなどSNS上で配信します。SNSユーザーのプロフィールや知り合いのデータから、特定の顧客属性だけに絞った広告配信が可能です。
使い方によってはターゲティング広告を超える費用対効果を発揮しますが、単にSNSから商品ページに誘導するだけではコンバージョンに繋がりません。まず商品やブランドについて詳しく知ってもらうため、LP(ランディングページ)の企画・設計が重要となってきます。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、広告主とアフィリエイターをマッチングする「ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)」と契約し、アフィリエイターが運営するサイトで広告を配信してもらう方法です。アフィリエイターサイトを経由してコンバージョンに至った場合、売上の一部を報酬としてASPに支払います。
アフィリエイト広告で高い運用成果をあげるには、優秀なアフィリエイター(集客力がある、CVRが高いなど)を確保することが欠かせません。たとえば、アフィリエイター向けの商品説明会を開催したり、報酬をできるだけ高くするなどの工夫が必要です。
純広告(Webサイト掲載)
純広告とは、特定のWebサイトに限定して自社の広告を配信してもらうことです。新聞や雑誌に広告を出稿するイメージと似ています。直接Webサイトに依頼し、あらかじめ掲載期間と出稿費を決めて広告を配信します。
純広告では、自社商品に関連するキーワードで検索を行い、上位表示されているWebサイトに掲載を依頼することが一般的です。上位表示のサイトは多くのPVが期待できるため、それだけ自社サイトへの流入が増える可能性が高いといえます。
D2Cの集客手段はリスティング広告が効果的
D2C向けのECサイトで広告を運用するときは、費用対効果の見極めが重要です。
結論から言えば、Web広告は費用対効果の高いものに多くの資金を投入することが欠かせません。
D2Cを実施する企業は小~中小規模のケースが多く、広告予算が限られているからです。ときには、不要な広告は省く「選択しない選択をする」ことも重要となるでしょう。
費用対効果は各広告の運用方法によって違いが出るものの、一般的にリスティング広告の期待値が高いと言われています。そのため、ここではリスティング広告の具体的な運用方法を詳しくお伝えしていきます。
リスティング広告の種類
リスティング広告は、Googleが提供するものとYahoo!が提供するものの2種類に分かれます。Google型を「AdWords」、Yahoo!型を「プロモーション広告」と呼び、それぞれサービス提供側の検索結果に広告が表示される形です。
リスティング広告を運用するときは、GoogleとYahoo!のどちらか一方に絞りましょう。そのほうが広告費を集中投入でき、費用対効果がさらに高まるからです。
種類の選び方は、Google Analyticsを利用してください。Google Analyticsの「集客→すべてトラフィック→参照元/メディア」の項目で、ユーザーのECサイトへの流入経路が分かります。Googleが多いECサイトはAdWordsを、Yahoo!が多いときはプロモーション広告を選択しましょう。
リスティング広告を上手に活用するには?
リスティング広告をうまく活用するには、自社商品と検索需要をしっかりと確認しておくことです。設定する検索キーワード(需要)と商品のテーマ(供給)が適合していないと、いくら広告費をかけても集客やコンバージョンに繋がりません。
競合広告の検証はもちろん、オーガニック(広告欄外に表示された検索結果の一覧ページ)にどのようなコンテンツがあるかも確認しておきましょう。
詳細な調査を行うことにより適切な広告タイトル・広告分の設定、単価調整、配信時間設定が可能となります。
D2Cにもっとも相性の良い集客手段はSEO
D2Cはメーカー直販型のビジネス形態なので、一般的なECサイトとは特徴が異なります。ECサイトで収集・検証した顧客データを加工し、ブランド価値やCVRを高めるために顧客エンゲージメントを強化することが成功のコツです。
さて、サイトへの集客手段には広告のほか、SEO(検索エンジン最適化)を使う方法もあります。
実は、D2C向けのECサイトは、広告よりもSEOでの集客に向いているのです。SEO対策を行う場合はコンテンツ(Web記事など)が必要であり、コンテンツを利用することが顧客とのエンゲージメント強化に繋がるからです。
また、入稿のたびに費用のかかる広告とは異なり、SEOは低予算でも始められます。「広告予算が確保できない」という小規模な事業者の方でも、SEOだとハードルが低いということです。
さらに、発信したコンテンツは自社の資産として残るため、広告とは反対に時間が経つほど高い集客効果が現れます。
SEOによる集客方法については、「D2CのECサイト集客方法(SEO編)|広告以外の販売ルート構築法」でお伝えしています。ぜひこちらの記事もご確認ください。
【まとめ】D2Cの広告予算はバランスよく配分しよう
ECサイトへ人を集め売上を高めるには、広告が大きな役割を果たします。今回は、5種類のWeb広告の種類をお伝えしましたが、自社の商品や販売戦略に沿って最適なものをご選択ください。
ただし、広告を運用するときは配分に注意してください。基本的には、もっとも費用対効果の高い広告の配分を増やし、不要なものは利用しないことで効果を高めていけるでしょう。