D2CやECサイトでどのようなコンテンツを発信するか迷う方も多いのではないでしょうか。コンテンツマーケティングの重要性は理解できても、いざコンテンツを一から制作するとなると難しいですよね。
そこで今回は、コンテンツマーケティングを実施するECサイトの事例を10社紹介していきます。
4つのコンテンツの種類ごとに事例を紹介していきますので、自社に合った手法が見つかるはずです。
ECサイトの売上に繋がるコンテンツの種類
コンテンツマーケティングを行うときは、どのコンテンツを選ぶかが非常に重要です。コンテンツは合計4種類が存在し、自社のD2CまたはECサイトの特徴・目的に合わせて選んでいきましょう。
記事コンテンツ
文章を中心としたコンテンツを「記事コンテンツ」といいます。
最近はECサイトでもブログ調の記事コンテンツを発信するケースが増えており、コンテンツマーケティングの主要なツールです。SEO対策による検索ユーザーの流入が見込めるため、低コストで集客を行うには最適です。
メルマガ
メルマガもコンテンツマーケティングの重要な要素となります。顧客データを分析し、一人ひとりに最適な情報を配信することができるため、商品ページやLP(ランディングページ)への流入数も増えやすい特徴があります。
動画コンテンツ
動画コンテンツはブランディングに最適です。ECサイト上でブランドCMを公開することで、より端的にブランドイメージを顧客に伝えることができます。また、取り扱いが複雑な商品を扱うときは、説明書・マニュアルとしても活用可能です。
ソーシャルコンテンツ
ソーシャルコンテンツは、ツイッターやフェイスブックなどSNSを活用します。拡散力の高いツイッターは情報の発信や告知に、エンゲージメント強化に役立つLINEは顧客とのコミュニケーション用など、SNSの種類によって役割が異なります。
事例(1)記事コンテンツを活用したECサイト
記事コンテンツは、ユーザーの悩みを解決する、検索流入(潜在顧客)を増やす、ファンを増やす、自社商品に興味を持ってもらうなどの役割があります。
コンテンツマーケティングのなかでは導入しやすいコンテンツとなるため、まずは記事を増やしていくことから始めてみてはいかがでしょうか。
ここでは、記事コンテンツを活用するECサイト3社を紹介していきます。
土屋鞄製作所
土屋鞄製作所は、メイドインジャパンのバッグ・財布・小物を扱うアパレルブランドです。単なるメーカー直販型のECサイトではなく、ABOUT情報やコンテンツマーケティングが整備されており、大変参考になるD2Cサイトです。
サイト内には、「読み物」と「お手入れ」の2種類の記事コンテンツが用意されています。
「読み物」では、仕事用のバッグの選び方やシチュエーション別の商品紹介などバラエティに富んでおり、「お手入れ」では、扱いの難しい高級レザー素材のメンテンナンス方法が中心です。
【土屋鞄製作所】
https://www.tsuchiya-kaban.jp/
Rhythm(オムロンヘルスケア)
Rhythm(リズム)は、健康器具を販売するオムロンヘルスケアのオウンドメディアです。健康に関するトレンドやお役立ち情報のほか、健康管理に必要な食事・運動などの記事コンテンツを発信しています。
オムロンヘルスケアは、物販用のECサイトと情報発信用のオウンドメディアを明確に区別している点が特徴です。RhythmはSEOによる検索流入が高く(月間70万PV)、ブランドを知らないユーザーにも商品を訴求できます。
【Rhythm】
石けん百貨
石けん百貨は、石けんやケア用品、バスグッズなどのカテゴリーに絞り込んだECサイトです。カテゴリーキラーなので、特定分野の品揃えが幅広く用意されています。
石けん百貨のサイト内には「暮らしのHOW TO」や「化粧品の原料解説」などの記事コンテンツが用意されていますが、姉妹サイトとして複数のオウンドメディアも運営しています。
石けんの基礎知識を解説する「石鹸百科」、美容や化粧品の情報サイト「読んで美に効く基礎知識」などが代表的です。
【石けん百貨】
https://www.live-science.co.jp/store/php/shop/
事例(2)メルマガを活用したECサイト
メルマガは顧客とのエンゲージメントを強化する最適なコンテンツです。
有益な情報を配信することでブランドのロイヤリティが向上するほか、メール内に商品リンクを掲載し、商品ページまで誘導することもできます。
ここでは、メルマガを活用するECサイト2社を紹介していきます。
HMVジャパン
HMVジャパンは、さまざまなメルマガ施策で店舗、Web、モバイルと、各チャネルでの集客に成功しています。
全会員に向けて同様の情報を発信するマスメールのほか、購買行動データから個別に情報を配信する顧客基点メール、来店のない顧客に再来店を促すリテンションメールなど種類は様々です。
【HMVジャパン】
資生堂
化粧品ブランドの資生堂は、化粧品や美容についての質問・お悩みに答える「ワタシプラス(watashi +)」を提供しています。
ワタシプラスの会員になると、一人ひとりの悩みに合わせたアドバイスをもらえたり、ポイント取得やサンプル獲得ができます。
ワタシプラスからメルマガが配信されており、お得情報やキャンペーン情報を発信しています。メールの最後の文面にユーザーポイントやクーポン枚数を表示している点が特徴です。
読者はメールを読み終わった後に自分の保有ポイントを確認できるため、自然な購入に繋がりやすくなっています。
【ワタシプラス】
https://www.shiseido.co.jp/wp/index.html
事例(3)動画コンテンツを活用したECサイト
ECサイトによって動画コンテンツをどのように扱うかは異なります。動画が持つエンターテインメント性を重視して面白い情報を発信することも可能ですし、ブランディングや商品の使い方を解説する方法もあります。
ここでは、動画コンテンツを有効に活用するECサイト3社を紹介していきます。
コメリ
ホームセンターのコメリは、「How To 情報」という情報コンテンツを用意しています。コメリで扱う多様な商品を対象に、DIYやガーデニング、家庭菜園などの知識やお役立ち情報が中心です。
そのなかでも「KOMERI TV」という動画コンテンツが目を引きます。記事コンテンツとして配信していたハウツー情報を動画に集約し、時間のない忙しい方でもアクセスしやすい工夫を行っています。
【コメリ】
https://www.komeri.com/top/CSfTop.jsp
カメラのキタムラ
カメラのキタムラでは、特定の商品ページに動画コンテンツを掲載しています。たとえば、カメラの商品ページには、メーカーを突撃取材して最新の商品情報をインタビュー動画が掲載されていました。
高品質のカメラはディティールや機能が豊富なため、文章だけで商品を説明すると非常に長く読みにくいものとなります。動画で簡潔に商品を紹介することで、カメラのコアなファンでも簡単に最新機種の特徴を知ることができます。
【カメラのキタムラ】
ニッセン
ニッセンでは、動画コンテンツにエンターテインメント性を加えて商品を面白く見せる工夫をしています。
「社員も知らなかった。。。!!おおっってなる商品をまとめてみた件」というタイトル通り、動画コンテンツページはユーザーの興味をひきます。
たとえば、みじん切りチョッパーを販売するために、「みじん切りが手軽過ぎて包丁の出番がない件」というタイトルで動画を配信しています。ほかにも、電動ビューティシェーバーの商品動画は、「化粧品塗ってる風に見えて実はムダ毛そってる件」というタイトルです。
【ニッセン】
事例(4)ソーシャルコンテンツを活用したECサイト
ソーシャルコンテンツは、SNSを活用することにより商品ページへの誘導やブランディング、顧客とのエンゲージメント強化などの効果を発揮します。
ここでは、ソーシャルコンテンツを活用するECサイト2社を紹介していきます。
竹虎
竹虎は、国内の竹材製品を扱う専業メーカーです。竹素材を使った大根おろし、蒸し鍋、竹酢液などが人気を集めています。
創業は明治27年、現在は4代目の山岸義浩氏がオーナーです。山岸氏は個性的な人物で、ECサイト内でもオーナーの写真を使った商品説明画像や動画が配信されています。オーナー自身がブランディングの役割を発揮しており、SNSでも山岸氏自らコメントを発信する姿が特徴的です。
オーナー色の強いメーカーやショップの場合、竹虎のようにプライベート感のあるSNSを発信することが適しています。
【竹虎】
ライスフォース
ライスフォースは、お米を発酵させて生まれたスキンケア製品「ライスパワーエキス」を販売するD2Cブランドです。
ライスフォースのインスタグラムでは、化粧品の画像や商品紹介のほか、協賛する芸能人とのコラボ画像などが目立ちます。ツイッターでは、お肌のトラブルに関するお悩み相談から、美粧協力中のドラマやCMの紹介を行っています。
【ライスフォース】
【まとめ】自社に合ったコンテンツマーケティングを選ぶ
今回は、計10種類のコンテンツマーケティング事例を紹介してきました。
記事コンテンツやメルマガなど、コンテンツマーケティングはコンテンツの種類によって発信する内容がまったく異なります。
また、コンテンツによって集客やブランディングといった役割が異なるため、ECサイトを構築する前に目的を決めておきましょう。
今回お伝えした事例を参考に、自社の商品やサービスに合ったコンテンツマーケティングを実践してください。